Japan Muslim Association 日本ムスリム協会は、日本における最初のムスリム(イスラーム教徒)団体です。

ハラールについて

  • HOME »
  • ハラールについて

ハラールについてのイスラームの教え

1.ハラールについて知ってほしいこと

私達ムスリム(イスラーム教徒)は、日常生活であらゆる行為が創造主アッラーの望まれる行いかどうかを意識しながら生活しています。もちろんアッラーの禁じられることは僅かで、ほとんどの行為は許されていると言っても過言ではありません。禁じたものはハラームと呼ばれ、許されたものをハラールと呼びます。アッラーは、決してムスリムを困らせるためにハラームを定められたわけではありません。それは、アッラーに対する信仰の証しを行為で示すことを意味し、行うべきことはワージブ(義務)と呼ばれ、行わないことによって信仰の表明をすることがハラーム(禁止)となるわけです。

2.イスラーム世界と非イスラーム世界の違い

ほとんどのムスリムは、イスラーム社会の中で暮らしており、そこでは何をすべきか何をしてはいけないのかが明確に区別されていて特別苦労することなく日常生活を送ることができます。しかしムスリムが、旅行などで非イスラーム社会の中で暮らさざるをえなくなった時にイスラームで禁じられているものかどうかの判断が言葉の問題や文化の 違いからとても判断しづらいケースが出てきます。そこでとても重要になるのは、同じムスリムとして現地で暮らす人のアドバイスになります。現地の言語や文化を理解し、 なおかつイスラームのハラームとハラールの区別もできる人の助言なしには心から安心して暮らすことは出来ないでしょう。

3.ハラール食品について

ハラールな食品についてクルアーンで次のように述べている。
「それでアッラーがあなたがたに授けられた、合法にして善いものを食べなさい。」(16章114節)このクルアーンの中で、ハラールな食べ物についてハラーラン タイエバン(合法的で善い物)と表現されている。タイエブとは清潔、清浄、健康的、環境保全の上で善きという意味になる。従って、ムスリムは食べ物に関して敏感にならざるを得ない。

またハラールではない禁じられた食べ物についてつぎのように述べている。
「あなたがたに禁じられたものは、死肉、(流れる)血、豚肉、アッラー以外の名を唱え(殺され)たもの、絞め殺されたもの、墜死したもの、角で突き殺されたもの、野獣が食い残したもの、(ただしこの種のものでも)あなたがたが止めを刺したものは別である。」(5章3節)

死肉とは、イスラーム法的に屠畜されなかった動物肉をも含める。血とは、動物から流れる血で、屠畜後に体内に残った血ではない。豚肉は、不浄とされ、豚の体内から抽出したもの、脂肪や皮や毛など全てを含む。また、豚および豚由来のものに触れたものも不浄とされる。

また酒(ハムルと呼ぶ)も禁止されている。
「あなたがた信仰する者よ、誠に酒と賭け矢、偶像と占い矢は、忌み嫌われる悪魔の業である。これを避けなさい。おそらくあなたがたは成功するであろう。」(5章90節)

4.日本人の美徳「おもてなし」の心とイスラーム

近年、外国から特にイスラーム圏から観光客の増加に対しムスリムの方にも安心して日本での滞在を気持ち良く楽しんでもらうために、外国にはない日本人の「おもてなし」の精神による接待を勧めるムードが盛り上がり、その一環にハラールマーク(ハラール 証明書)をお店に張り出すことがもてはやされるような空気が強く感じられます。しか し、そこには大きな落とし穴があることも知っておかなければなりません。確かに、イスラーム社会にあっても最近は、ハラールマークの商品やレストランなどが多くなってきて、ムスリムたちも安心を求めてそれを基準に買い物や食事をするケースも増えてき ました。 しかし問題は、イスラーム社会の中で出されているハラールマークと日本のような非イスラーム社会の中で出されているハラールマークが同じ基準で出されているかどうかということです。イスラーム社会でのハラール基準は、商品なりレストランなりで、仕入れから製品として提供されるまでの全ての段階でハラール性が担保されていることを証明するものであり、それはイスラーム社会であれば完全にそれが保障されていることを 疑うことはありえないでしょう。しかし、もし日本のような非イスラーム社会でハラールマークを同じ基準で出すことは極めて困難であると言わざるを得ません。日本に住む私達ムスリムにもそれは不可能とは言わないまでも、残念ながら責任をもってそれを証明できる段階にないのが現状です。 「おもてなし」とは、相手の気持ちに立って考えて協力してあげる精神だとすれば、ムスリムの安心を保証してあげてこそ、本当の「おもてなし」になると思います。

※ハラールに関する活動はこちら

PAGETOP
Copyright © 宗教法人日本ムスリム協会 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.