アッサラーム・アライクム

 3月のイスラーム教養公開講座を以下の要領で開催しますので、お誘いあわせの上ご参加ください。なお公開ですので非会員も参加可能ですが、その場合は事務局まで事前に登録していただく必要があります。また会員は登録なしで、自動的に入場可能となります。3月初めにはZOOM招待メールを発信いたします。

【日時】:3月6日(日)13:30~15:00

【タイトル】

「アラブ世界の現代的説教師現象と大衆向けイスラーム書籍:現代人の心に届く説き方の探究」

【講演内容要旨】
20世紀のアラブ世界では、イスラームを説く主体と方法の多様化が顕著になり、テレビで易しくイスラームを説く説教師は多くの民衆を惹きつけました。そして、21世紀には、Facebook、YouTube、Twitterなど多様なSNSを駆使する説教師たちが、若者を中心とした多くの民衆の日常における身近な存在となりました。

これらの人気説教師たちは、いわゆる保守的な学者たちが築いてきた伝統的な説教とは異なる方法でイスラームを説く主体として注目を集め、「現代的説教師(ドゥアート・ル=ジュドゥドゥ)」などと呼ばれています。2000年代は特に、現代的説教師ブームがアラブ世界全体で盛り上がりを見せました。本講演では、このような社会現象を概観した上で、1つの事例として、現代的説教師ブームの最中で一大ベストセラーとなった『悲しまないで(ラー・タフザン)』という大衆向けイスラーム書籍に着目します。その上で、現代のムスリム民衆の心に届く「イスラームの新しい説き方」の可能性について、皆さんと共に考えたいと思います。

【講師略歴】
兼定 愛(けんじょう めぐみ)
慶應義塾大学総合政策学部でアラビア語とイスラームに出会い、イエメン、レバノン、シリア、モロッコ、ヨルダンへの短期留学を経験。2021年夏に同大学大学院にて博士号(政策・メディア)を取得。「イスラームにおける悲しみとの向き合い方」に関する研究を、様々なテーマに落とし込みながら継続している。現在は慶應義塾大学や県立高校のアラビア語講師を行っており、春からは同志社大学の研究員として勤務する。

以上です。

日本ムスリム協会 事務局