トカゲの肉を食すことは許される
3巻 P.83-88
イブン・ウマルは伝えている
預言者はトカゲの肉について尋ねられた。
すると「私はそれを食さないが、禁止はしない」と申された。
イブン・ウマルは伝えている
ある男がアッラーのみ使いにトカゲを食すことについて尋ねた。
するとその御方は「私はそれを食さないが、禁止はしない」と申された。
イブン・ウマルは伝えている
アッラーのみ使いが。ミンバルにおられた時、ある男がトカゲを食すことについて尋ねた。
するとその御方は「私はそれを食さないが、禁止はしない」と申された。
ウバイドッラーを拠り所とするもので、前述同様の話が別の伝承者経路を経ても伝えられている。
前述同様なハディースは、アッラーのみ使いから聞いた話として、イブン・ウマルを根拠として幾つかの伝承者経路を経て伝えられている。
それらの中には言葉に僅少の相違をもったものがある
(例えば)アイユーブのハディースには“アッラーのみ使いの許にトカゲがもって来られた。
その御方はそれをお食べにならなかったが、禁止はされなかった”とあり、
またウサーマのハディースには“アッラーのみ使いがミンバルにおられた時、ある男が(質問のため)そのマスジドで立ち上った”と述べられている。
イブン・ウマルは伝えている
預言者が幾人かの教友達と御一緒におられたことがあったが、その中にサアドも加わっていた。
その時彼等の所にトカゲの肉がもって来られた。
すると預言者の妻達の中の御一人が「それはトカゲの肉だわ」と呼んだ。
アッラーのみ使いは「食すがよい。
それは合法的なものである。
しかし私は、それは食さない」と申された。
タウバ・アンバリーは伝えている
シャウビー(伝承者の一人)は私に「あなたはハサンが預言者から直接に伺ったハディースを御存知ですか。
私はイブン・ウマルと二年あるいは一年半程親しくさせていただいたが、彼が預言者から直接伺ったもので、これ以外のことは彼から聞きませんでした」と言った。
(それは)“教友達の幾人かの中にサアドもいた”という前述のハディースについてである。
アブドッラー・ビン・アッバースは伝えている
私とハーリド・ビン・ワリードはアッラーのみ使いと御一緒にマイムーナの家に入った。
その時、焼かれたトカゲが運ばれて来た。
アッラーのみ使いは(とかげとは知らず)それに御手を伸ばされた。
するとマイムーナの家にいた幾人かの女達が「あなた達、アッラーのみ使いが今召上ろうとされているものについてお話しなさい」と言った。
み使いは(それがとかげであると分ると)手を引き込められて(お食べにならなかった)
私は「アッラーのみ使いよ、それはハラーム(禁じられたもの)でしょうか」と言った。
み使いは「いや、そうではないが、それは私の親族の地にはいないものである故、私はそれを好まぬ」と申された。
ハーリドは「私はそれを良く噛んで食べた。
その間み使いはじっと見つめておられた」と言った。
アブドッラー・ビン・アッバースは伝えている
アッラーの剣とうたわれているハーリド・ビン・ワリードは私に(次のように)告げた。
彼はアッラーのみ使いと御一緒にその御方の妻マイムーナの所に行った。
彼女は彼の母の姉妹であつ、また私(イブン・アッバース)の母の姉妹でもあった。
彼は彼女の許に焼かれたトカゲがあるのを知った。
それは彼女の姉妹フファイド・ビント・ハーリスがナジドから持って来たものであった。
彼女はそのトカゲをアッラーのみ使いに供した。
それは、その御方に差し上げることがまず無かった食べ物だったので、それについて話されることも、その名が出ることもほとんど無かった。
アッラーのみ使いはそのトカゲに手を伸ばされた。
その時、そこに居た婦人の一人が「あなた達、アッラーのみ使いに差し上げた食べ物についてお話しなさい」と言った。
彼女達は「アッラーのみ使い様、それはトカゲです」と言った。
するとみ使いは手を引き込められた。
ハーリド・ビン・ワリードは「アッラーのみ使いよ、トカゲはハラームですか」と言った。
その御方は「いや、そうではない。
だがそれは私の親族の土地にはいないものである。
それ故私はそれを好まぬ」と申された。
ハーリドは「それで、私はそれを良く噛んで食べた。
アッラーのみ使いはじっと見ておられたが禁止はされなかった」と言った。
ハーリド・ビン・ワリードは伝えている
私はアッラーのみ使いと御一緒に、私の母の姉妹であるマイムーナ・ビント・ハーリスの所に行った。
その時、ジャアファル族の男性と結婚していたウンム・フファイド・ビント・ハーリスがナジドからもって来たトカゲの肉がアッラーのみ使いの前に差し出された。
だがアッラーのみ使いは日頃は、御自分の食べるものが何であるかをお知りになるまでは、何もお食べにはならなかった。
残余のハディースは前述のものと同じであるが、このハディースの終りに“イブン・アサンムはマイムーナから聞いたとしてそのことを話した。
なお彼は彼女の保護を受けていた”という付加がある。
イブン・アッバースは伝えている
われわれがマイムーナの家にいた時、二匹の焼かれたトカゲが預言者に供された。
残余の話しは前述のものと同じであるが、ヤジード・ビン・アサンムがマイムーナから聞いたとすることに関しては、これには述べられてはいない。
イブン・アッバースは伝えている
アッラーのみ使いがマイムーナの家に居られた時、トカゲの肉がその御方に供された。
その時、ハーリド・ビン・ワリードもそこに居た。
残余のハディースは前述のものと同一である。
サイード・ビン・ジュバイルは伝えている
私はイブン・アッバースが(次のように)言うのを聞いた。
私のおばウンム・フファイドはアッラーのみ使いにバターとチーズそれにトカゲを献上した。
み使いはバターとチーズは食されたが、トカゲは嫌がられてお残しになった。
しかしそれはアッラーのみ使いが居られる食卓で食されたのであった。
それがもしハラームであったなら、アッラーのみ使いがおいでになる食卓でそれが食されることはなかったであろう。
ヤジード・ビン・アサンムは伝えている
最近、マディーナで結婚した人がわれわれを招待してくれた。
彼はわれわれに13匹のトカゲを振る舞ってくれた。
人々の中にはそれを食す者もあれば全然手をつけぬ者もあった。
私はその翌日、イブン・アッバースに会った。
私は大勢の人々が彼を取リ囲んでいる所で前日のことを彼に話した。
するとそこに居たある者が「アッラーのみ使いは『私はそれを食さないが禁止はしない。
またそれは不法なものでもない』と申された」と言った。
するとイブン・アッバースは「あなた方は何と悪い言い方をすることか。
まことに、アッラーのみ使いは合法的であるか、あるいは非合法的であるかを(明瞭に示されるためにみ使いとして)遣わされたのである。
アッラーのみ使いがマイムーナの所で、ファドル・ビン・アッバース、ハーリド・ビン・ワリードそれに他の婦人と御一緒に居られた時、そこに肉の入った器が運ばれて来た。
預言者がそれを召し上がろうとした時、マイムーナが『それはトカゲの肉でございます』と言うと、その御方は手を引き込められた。
そして、『これは私が食べない肉である』と申され、人々には『皆は食すが良い』と申された。
それでファドル、ハーリド・ビン・ワリード、その他そこに居た婦人はその肉を食べた」と言った。
マイムーナは「私はアッラーのみ使いがお食べになる物以外は食べません」と言った。
アブー・ズバイルはジャービル・ビン・アブドッラーが(次のように)言うのを聞いたと伝えている
アッラーのみ使いはトカゲを供されると、それをお食べになることを拒絶された。
私は良く分らぬが、多分それは長い年月の間に(ある民族が)姿を変えられたものかも知れない。
アブー・ズバイルは伝えている
私はジャービルにトカゲを食すことについて尋ねた。
彼は「それを食してはならぬ。み使いはそれをお嫌いになった」と言った。
ウマル・ビン・ハッターブは「預言者はそれを禁止されなかった。
至高偉大なるアッラーはそれを少なからぬ人々のために有益なものとして(創造された)それは羊飼い達が常々食するものである。
もしそれが私の所にあれば、私はそれを食したであろう」と言った。
アブー・サイードは伝えている
ある男が「アッラーのみ使いよ、われわれはトカゲが多くいる地に住んでいます。
それで(それを食すことについて)あなたはわれわれにどのように御命じになりますか、またはどのような法的決定を下されますか」と言った。
その御方は「イスラエル族の中の一氏族が(トカゲの姿に)変えられたということが私に述べられたことがある」と申されて、何も御命じにならなかったし、また禁止もされなかった。
アブー・サイードは「その後のことであった、ウマルは『まこと、至高偉大なるアッラーはそれを少なからぬ人々のために有益なものとして創造された。
なおそれは羊飼い達が常々食するものである。
もしそれが私の許にあればそれを食したであろう。
アッラーのみ使いはそれを好まれなかっただけである』と言った」と述べている。
アブー・サイードは伝えている
砂漠に住む男がアッラーのみ使いの所に来て「私はトカゲが多くいる低地に住んでいる者です。
トカゲはそこの住人達の通常の食べ物です」と言った。
だがその御方はお答えにはならなかった。
そこでわれわれは彼に「あなたの(問題を)繰り返して見たまえ」と言った。
彼はそれを繰り返した。
しかしみ使いはお答えにはならなかった。
その言葉は三回繰り返された。
アッラーのみ使いは三度目に彼をお呼びになり「砂漠に住む者よ、アッラーはイスラエル族のある一氏族を呪われ、あるいはお怒りになられて、彼等を地をはう爬虫類の姿に変えられたのだ。
私はそれがその種類の一つであるかどうかは分らぬが、私はそれを食べないし、禁止もせぬ」と申された。