朝と就寝時にタスビーフを唱えることについて
3巻 P.621-623
預言者の妻の一人ジュワイリヤは伝えている
預言者は、朝、彼女の家から出て行かれた。
その時彼女は、家にある礼拝場所で早朝礼拝を行なっていた。
預言者は午後帰ってきたが、彼女はまだその場所に座っていた。
預言者は彼女に「私が出かけた時からずっと同じように座っていたのか」とたずね、彼女が「そうです」と答えると、次のように言われた。
「私はここを出たあと四つの言葉をそれぞれ三回唱えたが、朝からあなたが唱えていた言葉とどちらがよりよいのか比較してみなさい。
それは“アッラーこそ讃美し、賞讃すべき御方であられる。
それは創造物の数多さ故であり、彼自身の恩寵深さの故であり、玉座の威厳の故であり、また、御言葉の記録に使われるインクの故である(注)”という言葉です」
(注)クルアーン第18章109節には、これに関連し「たとえ、海が主の御言葉を記すための墨であっても、主の御言葉が尽きないうちに海は必ず使い尽くされよう。
たとえ、アッラーが別にそれと同じ海を、補充のためにもたらしたとしても」と記されている
ジュワイリヤは伝えている
「アッラーのみ使いは、彼女が早朝礼拝を行なっている時、もしくは、早朝礼拝を終えた時、たまたま、彼女の近くをお通りになった。」
以下は前記と同内容であるが、次の言葉も付加されている。
「創造物の数の多さ故にアッラーを讃美します。
ご自身の恩寵深さの故にアッラーを讃美します。
玉座の威厳さ故にアッラーを讃美します。
御言葉を記録するため使われるインクの故にアッラーを讃美します」
アリーは伝えている
ファーティマは、ひきうすから落ちた穀物を手にしなから、仕事が多いことを愚痴った。
この頃預言者の許には戦争捕虜がいたので、彼女はその中から召使いを捜してくれるよう願っていた。
そのため、彼女は預言者の家を訪ねたが、預言者は不在だった。
彼女は、アーイシャに会い、生活の困難さについて話した。
預言者が帰った時、アーイシャはファーティマが訪ねてきたことを話した。
それで、預言者は、私たち(ファーティマとその家族)の家においでになった。
私たちはベッドで横になっていたが、預言者がおいでになったので起きようとした。
預言者は、そのままベッドにいるようにといわれ私たちの間にお座りになったが、私の腹にさわった預言者の足は冷えきっていた。
その折、預言者は次のように言われた。
「あなたたちが私に訴えることよりも、よいことを教えてあげよう。
ベッドに臥した時、アッラーは偉大なり!(タクビール)を34回、アッラーを讃美します!(タスビーフ)を33回、そして、アッラーを讃え、感謝します!(タフミード)を33回唱えなさい。
その方が召使いをもつより、あなた方にとってずっとよいことです」
前記と同内容のハディースは、シュウバによっても同じ伝承者経路で伝えられている。
前記と同内容のハディースは、イブン・アブー・ライラーによっても伝えられているが、それには次の言葉が加えられている。
「アリーは“預言者からこうお聞きして以来、私はこの言葉を唱えることを止めたことはありません”と言った。
或る人がアリーに、“スィッフィーンの戦い(注)が行なわれた夜でもですか”ときいた時、
アリーは“そうです。スィッフィーンの戦いの夜にも唱えました”と答えた」
(注)657年7月、カリフ・アリーとシリアの統督ムアーウィヤ一世との間でスィッフィーンの荒野で行なわれた戦闘のこと
アブー・フライラは伝えている
ファーティマは、彼女の父、預言者の処にきて、召使いをやとってくれるように頼み、家での仕事がきついと訴えた。
それに対し、預言者は、次のように言われた。
「お前には、我々の処から召使いを与えることはできない。
召使いを得るよりお前に役に立つことを教えてあげよう。
スブハーナッラー!(タスビーフ)を33回、アルハムドリッラー!(タフミード)を33回、そしてアッラーフ・アクバル!(タクビール)を34回ベッドに臥す前に唱えなさい」と言われた。
前記と同内容のハディースはスハイルによっても、同じ伝承者経路で伝えられている。