預言者が呪ったリ中傷したりする者で、しかし彼がそれに当てはまらない場合には、
その者には逆に身の潔白と報償と慈悲が与えられること
3巻 P.542-546
アーイシャが次のように伝えている
アッラーの使徒を二人の男が訪れた。そして二人は私の知らない事について話しかけていたが、遂に彼を苛立たせた。
そこで彼は二人を呪い中傷した。
そして二人が退出すると私はこう言った。
アッラーの使徒よ、誰でも何か良いことを得て帰るのにこの二人は何も得ませんでしたね。
そこで彼は「どうしてだね?」と言ったので私は「あなたが二人を呪って中傷したからです」と言った。
すると彼はこう言った。
あなたは私が主に次のように言って条件を付けたことを知らないですか?
アッラーよ、私は人間です。
私が呪ったり、中傷したりしたムスリムには誰にでも潔白と報償をお与え下さい。
アアマシュは前記と同様のハディースを別の伝承者経路を経て伝えている。
ところでイーサーの伝えるハディースでは次のようになっている。
二人は彼と個人的な会合を持った。
そこで彼は二人を中傷し、呪った。
そして彼は二人を追い出した。
アブー・フライラはアッラーの使徒が次のように語ったとして伝えている
アッラーよ、私は人間です。ですから私が中傷したり、あるいは呪ったリ、あるいは鞭打ったりしたムスリムには誰にでも身の潔自と慈悲をお与え下さい。
ジャービルは前記と同様のハディースを伝えているがここでは「身の潔白と報償とを……」となっている。
アアマシュは前記と同様のハディースを伝えている。
ところでイーサーの伝えたアブー・フライラのハディースでは「そして報酬を」となっておりジャービルのハディースでは「そして慈悲を」となっている。
アブー・フライラは預言者が次のように語ったとして伝えている
アッラーよ、私はあなたが決して私に破らせることのない誓約をあなたとの間に行います。
しかし私は人間です。
私が傷つけたり、罵倒したり、呪ったリ、鞭打ったムスリムには誰にでもこれに免じて祝福と身の潔白と復活の日にはあなたのおそば近くに近付けるような接近とをお与え下さい。
アブー・ジナードは前記と同様のハディースをわずかに言葉を変えて伝えている。
アブー・フライラは前記と同様のハディースを別の伝承者経路を経て伝えている。
アブー・フライラはアッラーの使徒が次のように語ったところを聞いたとして伝えている
アッラーよ、ムハンマドは人間です。
人が怒るように彼(自分)も怒ります。
そして私は確かにあなたのもとで、あなたが決して私にそれを破らせない誓約を行いました。
それで私が傷つけたり、中傷したり、鞭打ったりした信者には誰にでもそれに免じて何かの償いと復活の日にあなたのもとに近付ける接近とをお与え下さい
アブー・フライラはアッラーの使徒が次のように語っているところを聞いたとして伝えている
アッラーよ、私が中傷した下僕の信者には誰にでもこのことに免じて復活の日にはあなたへの接近をお与え下さい。
アブー・フライラはアッラーの使徒が次のように語ったところを聞いたとして伝えている
アッラーよ、私はあなたの許しのもとにあなたが私にそれを決して破らせない誓約を行いました。
故に私が中傷したりまたは鞭打ったりした信者には誰でもそのことに免じて復活の日には何かの償いをお与え下さい。
ジャービル・ビン・アブドッラーはアッラーの使徒が次のように語っているところを聞いたとして伝えている
私はただの人間にすぎません。
そして私は至高にして偉大なる我が主に、私は自分が中傷したり、罵ったりしたムスリムの信者には誰にでもそのことに免じて身の潔白と報償とをお与え下さることを条件付けました。
イブン・ジュライジュは前記と同様のハディースを別の伝承者経路を経て伝えている。
アナス・ビン・マーリクは伝えている
かつてウンム・スライム(アナスの母)のもとに一人の女の孤児がいました。
そしてアッラーの使徒がその孤児を見てこう言いました。
あなたが彼女ですか?
あなたは十分大きくなった。
もうこれ以上年をとらないように。
それからその孤児はウンム・スライムの所に泣きながら帰って来ました。
そこでウンム・スライムが「かわい娘よ、どうしたの?」と尋ねるとその女奴隷はこう言いました。
預言者が私の年をこれ以上とらないようにと呪ったのです。
それでもう私の年は永久に増えないのです。
そこでウンム・スライムは頭のかぶりものを巻いて、急いでアッラーの使徒に面会するために出かけました。
そしてアッラーの使徒が「ウンム・スライムよ、いったいどうしたのですか?」と尋ねると、彼女は「アッラーの預言者よ、あなたは私の孤児を呪ったそうですね?」と言った。
そこで彼は「ウンム・スライムよ、それは一体何ですか?」と言った。
それで彼女はこう言った。
彼女(孤児)はあなたが彼女の年が増えないように、また彼女の年令が進まないようにと呪ったと言い張っています。
するとアッラーの使徒は笑いながらこう言った。
ウンム・スライムよ、私が我が主(アッラー)に条件付けた条件をあなたは知らないのですか?
私はこう言ったのですよ。
(主よ)私は人間です。
人が喜ぶように私も喜びます。
人が怒るように私も怒リます。
故に私のウンマの中で私が呪った人がそれに該当しない時には(どうか)復活の日にその者の浄化と身の潔白とまたあなたのそばに近づける接近とをお与え下さい。
アブー・マアンはハディースの中で三箇所使われている「孤児」という言葉を「小さな孤児」と縮小形で伝えている。
イブン・アッバースは次のように伝えている
私が子供達と一緒に遊んでいると、アッラーの使徒がやって来たので私はドアの後ろに隠れました。
しかし彼は(どんどん)やって来て私の肩を軽くたたくと「行ってムアーウィア(注)を呼んできなさい」と言いました。
こうして私は行って戻って来て「彼(ムアーウィヤ)は食事中です」と言いました。
すると彼はまた私に「行ってムアーウィヤを呼んできなさい」と言いました。
そこで私は行って戻って来ると「彼は食事中です」と伝えました。
すると彼は「アッラーが彼の腹を決して満腹にしないように」と言いました。
ところでイブン・ムサンナーはさらに次のように伝えている。
私はウマイヤに「私の肩をたたいたとはどんな意味ですか?」と尋ねました。
すると彼は「私の肩を一回ぽんとたたいた」の意味だと言いました。
(注)ウマイヤ朝の創始者の若き日のムアーウィヤのことであるが、彼の父アブー・スフヤーンはマッカ側のリーダーであった。
彼は父よりも先にイスラームに入信したが、多分この頃は預言者の書記のうちの一人であったと思われる
イブン・アッバースは前記と同様のハディースを僅かに言葉を違えて伝えている。