ジャリール・ビン・アブドッラー(注)の美徳
(注)イエメン系のバージィラ族の族長でイスラームの大征服軍のイラン・イラク方面の一部将。
アリーとムアーウィヤの対立ではアリー側に味方しアリー側を代表した
3巻 P.455-456
ジャリール・ビン・アブドッラーが伝えている
アッラーの使徒は私がイスラーム教に入信して以来いかなる時でも私の訪問を禁じませんでした。
また私を見る時はいつも笑顔を見せておいででした。
ジャリールは次のように伝えている
アッラーの使徒は私がイスラーム教に入信して以来いかなる時でも私の訪問を禁じられませんでした。
また私を見る時には私にいつも微笑みをかけて下さいました。
またイブン・ヌマイルはイブン・イドリースが伝えたハディースの中で次のようなジャリールの言葉を加えている。
私は預言者に馬の上にどうしてもしっかりと乗っていられないと訴えたことがあります。
すると彼は私の胸を彼の手でたたきながら次のように祈ってくれました。
アッラーよ、彼を固定してやって下さい。
そして正しい道にお導き下さい。
ジャリールは次のように伝えている
かつてジャーヒリーヤ時代にズルハラサと呼ばれる神殿があり、それはイエメンのカーバ神殿と呼ばれ、マッカのカーバ神殿をシリアのカーバ神殿と呼んで区別していました。
そこでアッラーの使徒は私にこう言いました。
ズルハラサ、イエメンのカーバ神殿から私を解放してくれませんか?
そこで私はすぐにアフマス族の150人の騎士を率いてそこへ出向きました。
そして私達はそれを破壊し、そこにいた者を殺害しました。
それから私は彼の所に戻りそのことを報告しました。
すると彼は私達とアフマス族のためにお祈りして下さいました。
ジャリール・ビン・アブドッラー・バジャリーは次のように伝えている
アッラーの使徒は私に「やあ、ジャリールよ、私をズルハラサ神殿から解放してくれないか?」と言いました。
それはハスアム族の偶像を安置した神殿でイエメンのカーバ神殿と呼ばれていました。
そこで私は150人の騎士を率いてそこに出向きました。
その当時私は馬にぐらつかないでしっかりと乗っていることが出来なかったのでアッラーの使徒にその事を話しました。
すると彼は彼の手で私の胸をたたきながらこう言った。
アッラーよ、彼をしっかりと固定させて下さい。
そして彼を正しくお導き下さい。
さてそれから彼(ジャリール)は出かけて行き、それ(神殿)を火で焼きつくしました。
彼は一足先にその朗報をアッラーの使徒に伝えるために一人の男(彼の悼名はアブー・アルターと言ったが)を遣わしました。
それで彼はアッラーの使徒の所へやって来るとこう言いました。
「私はそれが疥癬に罹ったラクダのように真っ黒になったことを確認してからその場を立ち去り、あなたの所へやって参りました。」
するとアッラーの使徒はアフマス族の馬とその騎士達を五回も祝福されました。
イスマイールが前記のハディースを別の伝承者経路を経て伝えている。
その中でマルワーンが伝えたハディースでは次のように伝えている。
そこでジャリールの送った朗報を伝える使者、アブー・アルター・フサイン・ビン・ラビーアがやって来て預言者に朗報を伝えた。