預言者の白髪について
3巻 P.343-346
イブン・シーリーンは次のように伝えている。
アナス・ビン・マーリクは「アッラーの使徒が髪を染めていたかどうか」を聞かれた。
それで彼は「彼には白髪はなかった」と言った。
ところでイブン・イドリースは「少ししか」と言わんばかりだったと伝えている。
それから彼は「アブー・バクルとウマルは髪をヘンナと力タム(注)で染めていた」と伝えた。
(注)ギンバイカに似た植物でアフリカの山地やその他亜熱帯地方に白生しその果実はペパーに似ていて中に実が一個入っている。
かつては頭髪を黒く染めたりインクとして用いられた
イブン・シーリーンは次のように伝えている
私はアナス・ビン・マーリクに「アッラーの使徒は髪を染めていましたか?」と尋ねた。
すると彼は次のように答えた。
「彼は髪を染めるほど年をとっていませんでしたが顎髭に少し白髪が混じっていました。」
そこで私はさらに「アブー・バクルは髪を染めていましたか?」と尋ねた。
すると彼は答えてこう言った。
「はい、ヘンナとカタムで染めていました。」
ムハンマド・ビン・シーリーンは伝えている
私はアナス・ビン・マーリクに「アッラーの使徒は髪を染めましたか?」と尋ねた。
すると彼は次のように答えて言った。
「彼には少しだけしか白髪がありませんでした。」
サービトは次のように伝えている
アナス・ビン・マーリクは預言者の髪の染めについて尋ねられた。
そこで彼はこう言った。
私は彼の頭髪にあった白髪を数えようと思えば数えることができました。
そして彼はさらにつづけて次のように言った。
彼は髪を染めませんでした。
だがアブー・バクルはヘンナとカタムで染めていました。
またウマルはヘンナだけで染めていました。
アナス・ビン・マーリクは次のように伝えた
男が髪の毛や顎髭から白髪を抜き取ることは嫌われています。
そしてアッラーの使徒は髪を染めなかった。
彼の下口唇の下の顎髭には白いものが見え、またこめかみと頭髪のあちこちに少し白髪があった。
同様のハディースがムサンナーによって別の伝承者経路を経て伝えられている。
アナスは預言者の白髪について尋ねられて次のように言った。
「アッラーは彼を白髪によって醜くしませんでした。」
アブー・ジュファイファは次のように伝えている
私がアッラーの使徒を見たとき、彼のここに白いものがあった。
それからズハイルは下口唇の下の顎髭のところに彼の指を当てた。
そしてジュファイファは「その時あなたはいくつ位でしたか?」と尋ねられて次のように答えた。
「そのとき私は矢を造りそれに羽根を付けていました(注)。」
(注)つまり子供ではなかったの意か
アブー・ジュファイファは次のように伝えている
私はアッラーの使徒を見て彼の頭に白いものを見ました。
確かに白髪が多少あった。
そして彼は(孫の)ハサン・ビン・アリーに似ていた。
同様のハディースがアブー・ジュファイファによって別の伝承者経路を経て伝えられている。
しかしここでは多少の表現上の違いがある。
ジャービル・ビン・サムラは次のように伝えている
彼は預言者の白髪について尋ねられて次のように答えた。
彼が頭に油を塗ったとき何も(白いものは)見えませんでした。
しかし油を塗らないときは何か(白いものが)現われていました。
ジャービル・ビン・サムラは次のように伝えている
アッラーの使徒は頭と顎髭の前部が白くなっていた。
そして彼が油を塗ったときにはそれは現われなかった。
しかし髪の毛が乱れているときには現われていました。
また彼には顎髭が多かった。
ここである男が「彼の顔は剣のようでしたか?」と尋ねた。
そこで彼は答えてこう言った。
「いいえ、だが太陽や月のようでした」(注)
つまり彼の顔は丸かった。
そして私は彼の肩のところに鳩の卵ほどの印を見ました。
その色は彼の体色と同じであった。
(注)剣も太陽も月もどれも輝いているが剣は細長いから比喩としては避けた