蛇その他を殺すことに関して
3巻 P.277-281
アーイシャは伝えている
アッラーのみ使いは背に二筋の白い縞のある蛇を殺すことを御命じになりました。
それは視力や胎児に悪影響を及ぼすからです(注)。
(注)この蛇は見ただけで目がくらんだリ、妊婦の場合は流産するともいう
前述のハディースは別伝承者経路でも伝えられている。
その中では「尾の短い蛇と縞のある蛇」とある。
サーリムは彼の父を根拠として伝えている
預言者は「背に二筋の白い縞のある蛇と尾の短い蛇は殺せ。
それは流産させ、視力にも悪影響を及ぼすからである」と申された。
それで、イブン・ウマルは見つけた蛇は全て殺していた。
アブー・ルバーバ・ビン・アブドル・ムンジルまたはザイド・ビン・ハッターブは彼(イブン・ウマル)が蛇を殺そうとして追いかけるのを見た。
その時彼(二人の中の一人)は「家々に巣くう蛇を(殺すことは)禁止されています」とイブン・ウマルに言った。
イブン・ウマルは伝えている
私はアッラーのみ使いが犬を殺すことを御命じになるのを聞いた。
その御方は「蛇や犬は殺せ。
背に二筋の白い縞のある蛇や尾の短い蛇は殺せ。
それらは視力に悪影響を及ぼし、流産を起す因となる」と申されていた。
ズフリーは「われわれには、それがそれらの毒によるものであると考えられるが、アッラーこそ最も良く御存知である」と言った。
サーリムは(次のように)言った。
アブドッラー・ビン・ウマルは「私は見つけた蛇は容赦なく殺し続けた。
ある日、私が家に巣くう蛇を追いかけていると、ザイド・ビン・ハッターブ、またはアブー・ルバーバが通り掛り、私がそれを追い掛けているのを見て「待ちなさい、アブドッラー」と言った。
私は「アッラーのみ使いはこれを殺すよう御命じになった」と言うと、彼は「アッラーのみ使いは家々に巣くうものは(殺すことを)禁じられた」と言った。
このハディースはズフリーを経由し、別伝承者経路を経でも伝えられている。
だがそれらには言葉に若干の相違がある。
ナーフィウは伝えている
アブー・ルバーバはイブン・ウマルの家に在って、その家のモスクの見える戸を開けてくれるよう頼んだが、それは彼がモスクの近くに居るのだという感慨に浸りたい気持ちからのことであった。
その時子供達が蛇の抜けがらを見つけた。
アブドッラーは「それを見つけ出して殺してしまえ」と言った。
するとアブー・ルバーバは「いや、それを殺してはならない。
アッラーのみ使いは家に巣くう蛇を殺すことを禁じられた」と言った。
ナーフィウは伝えている
イブン・ウマルは蛇を見つけると全て殺していた。
だが、アブー・ルバーバ・ビン・アブドル・ムンジル・バドリーがわれわれに「アッラーのみ使いは家々に巣くう蛇を殺すのを禁じられた」と話すと、彼はそれを止めた。
ナーフィウは伝えている
彼はアブー・ルバーバがイブン・ウマルに「アッラーのみ使いは蛇を殺すことを禁じられた」と告げるのを聞いた。
アブドッラーは伝えている
アブー・ルバーバは彼に「アッラーのみ使いは家々に巣くう蛇を殺すことを禁じられた」と告げた。
ナーフィウは伝えている
アブー・ルバーバ・ビン・アブドル・ムンジル・アンサーリーは、最初クバーウと言うところに所に住んでいたが、マディーナに移った。
アブドッラー・ビン・ウマルがそのアブー・ルバーバのためにくぐり門を開いて一緒に座っていると、その家の人々が家に巣くう蛇を見つけ、殺そうとしていた。
その時アブー・ルバーバが「(家に巣くう蛇を殺すことは)禁じられている。
だが尾の短い蛇と背に二筋の白い縞のあるのは殺すことが命じられた」と言った。
その二種類の蛇は視力に悪影響を及ぼし、流産の因ともなると言われていた。
ナーフィウは彼の父を根拠として伝えている
アブドッラー・ビン・ウマルが、ある日、壊れかけた彼の古い屋舎の側に立っていると蛇の抜けがらを見た。
彼は「この蛇を追い、殺してしまえ」と言った。
アブー・ルバーバ・アンサーリーは「まこと、アッラーのみ使いが、家々に巣くう蛇について、それを殺すのを禁じられたのを私は耳にした。
だが、尾の短いものと背に二筋の白い縞のあるのは別である。
その二種は視力を奪い、胎児に影響を及ぼす」と言った。
ナーフィウは伝えている
アブー・ルバーバはイブン・ウマルの側を通リ掛った。
その時イブン・ウマルはウマル・ビン・ハッターブの家の近くの城砦の側で蛇の動きに注目していた。
残余のハディースは前述と同様である。
アブドッラーは伝えている
われわれが預言者と一緒にある同窟にいた時、その御方に「次々と送られる風において」(クルアーン第77章1節)の啓示が下された。
われわれは啓示されたものを(最初に聞く者として)清々しい気持で拝聴した。
その時、われわれの所に蛇が出て来た。
み使いは「殺せ」と申された。
われわれはそれを殺そうとして突進した。
しかしそれの逃げる方が早かった。
アッラーのみ使いは「アッラーはあなた方をそれの危害より救われたように、それもまた、あなた方の害よりお救いになった」と申された。
前述のハディースは別の伝承者経路でも伝えられている。
アブドッラーは伝えている
アッラーのみ使いは巡礼の儀式を行っている者に、ミナーで蛇を殺すことを御命じになった。
アブドッラーは伝えている
“われわれがアッラーのみ使いとある洞窟にいた時…”
残余のハディースは前述と同様である。
ヒシャーム・ビン・ズフラのマウラー(解放奴隷)アブー・サーイブは伝えている
私がアブー・サイード・フドリーの家に入った時、彼は礼拝していた。
私は彼の礼拝が終るのを待った。
その時、ふと私はその家の一隅にあった木の枝の中にある物音を聞いた。
その方を見ると何とそれは蛇である。
私はそれを殺そうとして飛び掛った。
するとアブー・サイード・フドリーが私に“座れ”と合図をしたので私は座った。
彼が礼拝を終えた時、部屋の一つを指し「君はこの部屋を知っているか」と言った。
私は「はい」と言った。
彼は「そこにはわれわれの仲間で新婚の若者がいた」と言って(次のような話をした)
われわれはアッラーのみ使いと一緒にハンダクの戦(塹壕の役・627年)に出かけた。
その若者はよく日中に、アッラーのみ使いに彼の家族の許に帰る許可を求めていた。
ある日彼が(例によって)許可を求めると、アッラーのみ使いは「武器を携えて行くがよい。
私はクライザ族(マディーナに在ったユダヤ部族)が君に危害を加えないかと心配する」と申された。
それで彼は武器を持って帰った。
家に着くと彼の妻が入口の扉の間に立っているのを見た。
彼はそのことに嫉妬し、彼女の方に槍を向けて突き刺そうとした。
彼女は「あなた、槍を引いてっ、そして家の中に入って私がここに出ている訳を分ってちょうだい」と言った。
彼が入って見ると、ベッドの上にとぐろを巻いた大蛇がいたのである。
彼は槍でそれを突き刺した。
そして槍を家の中に突き立てたまま外に出た。
だが蛇はのた打って彼を襲った。
(その結果両者共に死んだが)蛇の方が先に死んだのか、それとも若者か、それについては知られていない。
われわれはアッラーのみ使いの所に来てそのことをお話した。
そして、われわれはみ使いに「アッラーが彼をわれわれのために蘇らせて下さるようお祈り下さい」と言った。
するとその御方は「あなた方の友人のために、アッラーにお許しを願うがよい」と申され、更に「まこと、マディーナにはイスラームに帰依したジンがいる。
故にあなた方がそれらの仲間を見た時は、三日間それに対して警告を出すがよい。
それでもしそれが、その後も現れたなら殺すがよい。
それはサタンなのだ」と申された。
アスマーウ・ビン・ウバイドはサーイブと言われる男-彼はわれわれの言うアブー・サーイブである-から聞いた話を伝えている
われわれはアブー・サイード・フドリーを訪問した。
われわれが座っているベッドの下である物音を聞いた。
見るとそれは蛇であった。
残余のハディースは同一であるがその中で伝承者は(次のようにも)言っている。
アッラーのみ使いは「まこと、これらの家々には蛇が住んでいる。
それで、あなた方がその中の一匹でも見た時は三日間苦しめよ。
もし出て行けばよし、さもなくば殺すがよい。
それは不信者なのだ」と申された。
またその御方は教友達に「行って君達の友(蛇に噛まれて亡くなった)を埋葬するがよい」と申された。
アブー・サイード・フドリーは伝えている
アッラーのみ使いは「マディーナにはイスラームに帰依したジンのグループが住んでいる。
それでそれらの中の一匹でも見た者は三日間それを苦しめよ。
そしてもしその後も現れることがあれば殺すがよい。
まこと、それはサタンである」と申された。