既婚者の姦通罪は石打ちの死刑
2巻 P.733-734
アブドッラー・ビン・アッバースは次のように伝えている
ウマル・ビン・ハッターブはアッラーの使徒の説教台に座り次のようにいった。
アッラーはムハンマドを真理を携えてお送りなさった。
そして、彼に啓典をさずけた。
彼に下された啓示の中には石投げの死刑に関する一節があった。
私達はそれを読み、記憶し、理解した。そして、アッラーの使徒は石打ちの死刑を執行し、また私達も彼の後、石打ちの死刑を執行した。
しかし、私は、時が経つうちに、人々の中で、「私達はアッラーの啓典中に石打ちの刑の一節を見付けません」などといい出す者が出てきて、アッラーが下した義務をないがしろにしていて人々は道に迷ってしまうではないかと心配しています。
だがアッラーの啓典の中に記されている石打ちの死刑は確かに姦通を犯した者が男であれ女であっても、まず既婚であり、なおかつその確証が実証された場合(注1)、また(女性の場合は)妊娠している場合(注2)、または本人が自白によって自ら認めた場合(注3)でその者にとってはそれは(石打ちの死刑は)義務なのである。
(注1)四人の信頼できる証人(狂人、奴隷、少年、女性等は排除)によって証言される必要がある
(注2)夫や主人(奴隷の場合)がいないのに妊娠した場合であるがウマルの見解ではこれによって充分に姦通罪が成立するとしている。
しかしマーリキー法学派を除いた他の学派の大部分の学者は単に妊娠だけでは姦通罪は成立しないと考えている。
即ちこの他に自白か証人かが必要要件となるとしているわけだ
(注3)外的圧力を一切受けない自由意志による自白であることが決め手となる
同様のハディースがズフリーによって伝えられている。