マディーナの特異性に関して
2巻 P.424-426
アブー・フライラは伝えている
アッラーのみ使いは次のようにいわれた。
「マディーナの民には、いつか自分の従兄弟や近親者を招き『物価が安くて、物が豊富なこの土地に来なさい』といえる時がやってきます。
しかし、マディーナは本来彼らにとって、ずっと良い土地なのです。
人々がそれに気づいてないだけです。
生命の主に誓っていいますが、誰もマディーナを嫌って出ていくものはいないのです。
ただし、アッラーが彼よりも良い人物を住まわせたいと思われる場合は別ですが。
みなさい!
マディーナは溶鉱炉のように、不純物を取り除きます。
溶鉱炉が鉄の不純物を取り除くように、マディーナは悪を滅ぼします。
それまでは最後の審判の日は来ません」
アブー・フライラは伝えている
アッラーのみ使いは「私は(後日)他の町をも圧倒することになったマディーナの町への移住を命じられました。
人々はここを、ヤスリブと呼んでいたが、正しい名はマディーナです。
溶鉱炉が鉄の不純物を取り除くように、ここマディーナは悪い人々を滅ぼします」といわれた。
前記と同内容のハディースは、ヤフヤー・ビン・サイードによっても別の伝承者経路で伝えられている。
ジャービル・ビン・アブドッラーは語っている
砂漠に住むアラブ人の一人が、アッラーのみ使いに盟約を誓った。
しかし彼は、マディーナへ来て間もなく、ひどい熱病にかかってしまった。
それで(砂漠に戻りたいと願い)預言者の処へ来て「ムハンマド様、盟約を反故にして下さい」と頼んだ。
しかし、アッラーのみ使いはこれを拒否なさった。
そのアラブ人は、再度、アッラーのみ使いの処に来て「ムハンマド様、盟約を反故にしてください」と頼んだが、預言者は、また、これを拒否なさった。
そのアラブ人は、更に再び、預言者の処に来て「ムハンマド様、盟約を反故にして下さい」と頼んだ。
預言者は三度目もまた拒否なさった。
結局そのアラブ人は(自ら盟約を破棄して砂漠へ)帰っていった。
アッラーのみ使いは、この折「マディーナはちょうど溶鉱炉のように、不純物を取り除き、良い物を純化する」といわれた。
ザイド・ビン・サービトは伝えている
預言者は「こここそ実にタイバである。《即ち、マディーナのこと》。
ここでは火が銀の不純物を取り除くように、悪徳が追放される」といわれた。
ジャービル・ビン・サムラは伝えている
アッラーのみ使いは「アッラーがマディーナをターバ(注)と命名された」といわれた。
(注)ターバは善、または、純なることを意味する。
マディーナは別に、タイバ、または、ムッタイヤバとも呼ばれるが、いずれも意味は同じである